2017/02/09
寒暖の差が激しい毎日ですが、皆さん元気にお過ごしですか?
例年通り?あっという間の1月は過ぎて、暦の上では立春も過ぎました。
冬は冬で良いところもありますが、何となく春を待ち遠しくも思ったりします。
一昨日、毎年恒例『春のお客様感謝祭』のチラシが完成し弊社に届きました。
例年のごとく3月の第1週(4、5日)土日の2日間です。
詳細は別途ご案内致しますので、お友達などと相談して予定しておいて下さいね。
さて、先週の木曜夜、表題の件についての講習を受けてきました。
この講習会は横浜市木造住宅耐震改修促進事業に関するもので、改修事業者が対象です。いくつかの改正点と新しい制度について、大まかですがお話します。
昭和56年以前(新耐震基準前)の住宅にお住まいの方への情報となります。
まず第一に、補助金限度額の増額に関してです。
ご存知の方も多いとは思いますが、一般世帯と非課税世帯に分かれます。後者は世帯収入がない方を指します。これは同居している方も含まれますのでご注意を!
一般世帯75万円、非課税世帯115万円の所(いずれも補助限度額)、平成29年度中に耐震改修工事に着手するものに限り、限度額を30万円増額するというものです。
今年の4月1日以降に申請し、決定・承認通知後に契約、工事着手と言う流れです。
詳しい事は別途お問い合わせ頂くとして、以前と比べ補助金は減りましたが、その代わりと言っては何ですが、診断法のパターンは増えました。
この事で、申請自体は行いやすくなったかもしれません。
つまり第二に、補助対象とする耐震診断法の拡充です。
ちょっと解りづらいかもしれませんが、今までは行政の施策である一般診断法による無料診断があり、その後市民の方が登録業者の中から設計事務所なり施工会社なりを選択し、その依頼を受けた者が精密診断を行って耐震計画を練る…と言う流れでした。
ザクッと言うと、無料診断のデータのみで耐震計画を実行できませんでした。気を付けて頂きたいのは、登録していない業者?が、横浜市のデータ(無料診断による一般診断法)を鵜呑みにして、耐震計画・施工する事です。ノウハウを持っていないのか手抜きなのかは分かりませんが、いずれにしても『それはダメよ』ってルールだったんですね。
早い話、横浜市に登録されている業者ならそんな事はしない前提?ですが。。。
ちょっとここでは言えませんが(笑)、いつもお話している通り、震災のような不幸なことが起こって、ただのビジネスチャンスとして参入している連中もいるので何とも、、、
耐震改修は簡単な仕事ではありませんから、そろばん弾くだけの業者には向いていないんです。お風呂やトイレを取り替えた方がラクなのに(笑)、工事の規模だけ見て来られてもなぁ…と言うのが私個人の本音です。^^;
相見積なんかがあるとしょっちゅう出くわしますが…。まぁいいか。(笑)
話が逸れてしまいましたが、タイプとしては3パターンあります。
従来の【精密診断型】に加えて、先に述べた【一般診断型】と【壁量充足型】です。
ここで細かい事は省きますが、住まい手のメリットとしては、住戸の形やプランによって、それぞれの計算法が使用できるという事。
上記の計算法によって予算を比較できるし、住まい方の制約、、、例えば介護等していて工事範囲に制限があったり、場合によってはですが、選択肢自体は増えた訳です。
我々の様な業者の仕事量は増えますが、住まい手にとってのメリットは増え、また上記に私がワザワザ?書いたノウハウのない業者又は手間を惜しむ業者は参入し辛くなったという事です。まぁ、こんな切り口で話す私みたいなのは珍しいでしょうが^^;
上記のやり方には細かい規定もありますが、そこは選んだ業者さんに任せましょう。
補助を使うかどうかは別にしても、決まったルールの中で正しい改修工事が行われれば、現存する構造上不安な家(昔の基準と今の基準の差がある家)も少なくなっていく訳で、結果耐震補強化が進むといった具合です。
第三に補助金の算定方法の変更がありますが専門的なので割愛。(笑)
第四に二か年度にわたる改修工事の申請です。
簡単に言うと、行政の予算は年度単位ですから、その年度に行ったものはその年度に消化したい訳です。良くも悪くもお役所仕事。(笑)
これが跨っていいというお話。。。
第五に申請書類の簡素化。
まぁ、不正ができないように最低限の要所は抑えていますが。
正直、書類の簡素化ではなく、申請の簡素化をお願いしたい!!
その代わり?耐震改修業者の登録基準を厳しくすればいいと思います。
結局は信頼関係ですし、技術者の矜持の問題でもある訳で、広く業者や技術者を募って制度を拡充するという狙いも解らなくはないですが、結局のところ、胡散臭い業者がいて手抜きなんかされたらこの制度の根幹を揺るがすだけですよね?
入口を狭めた方が、結果後戻りもなくスッキリすると思うのですが、皆さんはどうお考えでしょうか?
横浜市の施策(新耐震基準以前の住宅に関して)としてはこんな感じです。
世の中には、上記に当てはまらない基準に満たない住宅があります。
昭和56年以前の木造住宅でも適用除外となっているツーバイフォーなどのプレファブ住宅などです。1階が鉄骨の車庫で、2階が木造住宅とか。またそれ以降であっても、基準法で言うところの既存不適格な住宅もあるでしょう。木造3階建てもそうです。
当時の基準法を満たしていても、ギリギリの構造計画で造った建物は、法律が厳しくなるたびに基準を下回っていきます。数値は変わらないのにです。
こういった住宅は大きな欠点となりにくい(要所は抑えているので)ですが、それでも法律上、既存不適格なんて言われたら誰もいい気はしません。
建築、とりわけ住宅などは人生の多くを過ごす場でもあるので、ご心配があるなら調べてみるのもいいかもしれません。
最近CMで嫁を守るのは家だなんてアホ?^^;なのが流れていますが、命を守る家を創るのは我々です。
建築基準法ギリギリの家を良しとする工業化住宅やもどきの方々には、今でこそ制度の拡充やレベル表示で一見差別化を図っているかに見えますが、そんなものは最初から行っていればいい訳で、自慢ではないですが、私の家は必ず構造的な余剰を見込んで設計施工しています。法律や制度の方が後にくっ付いてきています。これが理想でしょう?
よくここでその予算は?なんて野暮な事を聞く自称識者もいますが、そんなものは上手く予算に取り込んでいけばいいんです。つまり、お客様に価格を転嫁しない事!!
私にとっては、それこそがある意味一つの差別化と考えますが?。
不安を煽るつもりはないのですが、だからこそ、56年以降から2000年頃までの住宅も耐震補強の必要性は念頭に入れておくべきだと思うのです。
初期の3階建在来木造住宅などは一度調べた方がいいと思います。
中には耐力壁としてカウントしてはいけない壁をカウントしている事例もありました。
検査機関のミスもありましたから。(見過ごしてしまった)
何もない事を確認する事から安心は生まれます。
安心安全の担保を得ておくことが家族の幸せになると思いませんか?
では今回はこれで。